ちょっと前の話しになってしまいますが、福島第一原発への海水注入問題で、中断したと説明してきた海水注入は、じつは中断せずに継続していたことがわかった。
そのため、東京電力の武藤副社長が吉田所長の処分を検討していると新聞には書いてあったが、吉田所長を処分するなんて、とんでもない話だと思う。吉田所長は現場の鬼軍曹として、3月11日の地震発生以後、ずっと現地で指揮をとりつづけている原発事故に対する功労者であり、「福島の英雄」のリーダーであるのだ。
万一、彼を処分するという事態になれば、吉田所長は、世間を騒がせた責任を取って、間違いなく東電をやめると思う。もしそうなれば、厳しい環境の中で彼と一緒に死力を尽くして働いてきた彼の仲間たちも、おそらく一緒にやめると言いだすだろう。なぜなら、「吉田師団」といわれるぐらい結束が固い連中なのだから。だからもしそうなったら、誰が原発事故を収束させるのか。東電には原子力発電のことがわかった人の人的な余裕はもうない。テレビで何でもわかっているような振りをして発言している原子力関係の大学教授はかなり暇そうだが、現場のことは何も知らないし、現場ではクソの役にも立たないから、収束までの時間が大幅に遅れることは目に見えている。(ちなみに、にほんのげんしりゅょくかんけいのきょうじゅでとうでんからおかねをもらっていなかった人は一人もいないという事実を皆さんはご存知だろうか。)
そもそも海水注入が中断されたかどうかで揉めていること自体が、非常にナンセンスな話だと思う。
あの状況で海水注入を中断してしまったら、水蒸気によって格納容器内の圧力がさらに上昇し、そのとき使用していたポンプの能力では、もう注入できなくなる可能性がある。だから吉田所長は、極端な話し、官邸から何を言われようが、殺されるまで注入をやめるつもりがなかったんだと思う。しかもそれは原子力を理解している人ならば誰でもそう思うことらしい。
本社の命令に従わなかったということで、現場の吉田所長を処分すると言ってしまった東京電力の武藤副社長の見識と意思決定には、ただただあきれるばかりである。日本国民からすれば、処分するどころか吉田所長は、「あなたがいたおかげでこの程度で済んだ」と感謝すべき人だと思っている日本国民のほうが多いのではないだろうか。
山形の肉そばにヒントを得て、こんなのを作ってみました。冷し素麺です。お昼のみ。
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