じつに不思議なことがある。香箱がに（松葉蟹のメス）の漁期は１月１０日までのはず。なのに市場で発見したのだ。禁漁期と知りながら、抜け駆けしてるワルい漁師がいるのか、それとも、たまたま別の漁で網にかかってきて獲れてしまったのか、魚屋に聞いてもわからないとのことだった。
しかし、ウマいもんを見つけたら、買わずにはおられないほうなので、全部もらってきました。これで、ボクも同罪です。しかし、お客さままで犯罪者にするわけにはいきませんので、ボク一人で罪を背負うつもりです。（自分ひとりで食べてしまおうという魂胆か！(^^ゞ ）
泡をふいているやつを発見です。
腹を上にして鍋に入れ、塩を加えて湯がきます。
茹で上がったら、ザルの上で立てかけて、余分な水気を抜きます。
６５００円以上の料理で、下は「このわた蒸し」、上が「蟹の茶碗蒸し（松葉かに）」という二色蒸しを作っています。
今日のお昼、８０００円のコースを食べていただいたお客さまから、料理が美味しかったということで、三十数名の団体さまのご予約をいただきました。どうもありがとうございました～。
皆さんは、小沢幹事長を信用することができますか。
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民主主義における政治の原理は『委託』です。
『委託』ならば、その根底に『信用』がなければ絶対になり立たないはず。おそらく人類が続く限り、『政治は信なり』という命題はなくならない。
だから、『信用』あっての政策であり、『信用』なき政策は、どんなに素晴らしくとも、しょせん壁に描いた餅でしかない。
『信用』とは、その人のこれまでの歴史であり、生きざまだから、永田町の論理と規範が染み付いた政治家は皆ダメということになる。『信用』のおけない政治家が、いくら変革をわめきたてても、何ひとつ問題が解決することがないのはそのせいです。
一度、日本政府と霞ヶ関を解体し、すべてを根本からやり直し、「道州制」に移行する。これしか解決策はないような気がします。
「道州制」のことは、１９８９年に出版された大前研一さんの「平成維新」を読んでください。これ一冊にすべてのことが書かれています。どうか応援をよろしくお願いします。
新鮮な手長海老。イタリアンなんかでよく使う素材。愛知県、渥美半島であがったものです。
鮮度バリバリの太刀魚。焼いて、カンホアの塩で召し上がっていただきます。。
届きました。信州タケダのお味噌。
食いしん坊さん、どうもありがとうございました。
信州みそならではの味わいに仕上がっていますね。
昔からみそは、春に仕込み、夏の暑い時期に発酵させ、秋まで熟成させて完成させるものでした。（１年物は翌年の春まで。）信州地方のように寒暖の差の大きな気候はみそづくりに最適です。そのため、信州みそは、戦後、全国を席巻し、みそ消費量の４割は今でも信州みそが占めています。
同じ発酵食品である日本酒は、完成後、火入れをすることが一般的ですが、みそは製造中の加温と完成後の過熱をしない「生みそ」が主流です。人工的な加温をしないことで、深い味わいと風味を生み、加熱処理をしないことによってそれが保たれています。
「生みそ」は、みその中の麹菌、酵母菌、乳酸菌などが生きているため、時間の経過とともに発酵と熟成が進み、色が黒ずむとともに、より深いコクのあるみそへと進化していきます。なので、くれぐれも賞味期限がきれたからといって、味も確かめずに捨てるようなことはしないほうがよいでしょう。より美味しくなっているかも知れないのに。
それに加えて、酵素も生きています。酵素には、消化吸収を助ける作用があります。
こちらは、生酒。秋鹿「霙もよう」。にごり酒です。
今年の霙もようは、爆発しない安全な酒に仕上がっています。
（写真は、２０ＢＹ）
これは、加熱処理をしていない生の醤油です。
自然海塩の「海の精」が作っている醤油。
久々の登場です。よろしくお願い致します。
本日、２月３日は節分。今年の恵方は“荒子観音”ですね。
鬼を祓う悪霊払いのために豆をまいたのが始まりでしょうか？
小さい頃、母親が柊にイワシの頭を刺したものを玄関に置いていたのを思い出します。（今ではほとんど見なくなりましたネ。）
如月の八寸。節分にちなんで一升枡を器にしちゃいました。[E:bleah]
実はこれ、お皿に盛ったお料理を升に入れる時が大変なんです。（なんて言うとおやじから叱られそうですが・・・）
こんな感じで、いつものように懐石の献立も少しずつ変わっていきます。楽しみにしていて下さいね。
ここのところ、また寒さがぶり返していますが、“蕗のとう”や“コゴミ”も入荷が始まりました。
ほんのチョッピリ、春の苦味の季節が近づいてきています。
ｂｙ、かんたろう
「手前味噌」という言葉がある。「手前どもの味噌は・・・・」と自分で作った味噌を自画自賛することだが、裏を返せば、味噌というのは、昔は自分の家で作るものであったということ。そして、同じ原料で同じ作り方をしても、それほど味が違ったということでもある。
なぜだろうか。
味噌は、ご存知のように発酵食品である。発酵食品というのは、空気中に潜む微生物の助けを借りて始めて完成する。味噌でいえば、その主役は「麹菌」というカビの一種だ。
（コウジカビは自然界の常在真菌であり、食品を腐敗させる代表的なカビの一つである。しかし同時に、コウジカビはデンプンをブドウ糖に、タンパク質をアミノ酸に分解する性質が強く、また種によっては効果的に脂肪を分解吸収するので、古くから酒、味噌、醤油、鰹節などの発酵を利用した食品（発酵食品）の製造に利用されている。ウィッキペテ゜ィアより）
菌の専門家によれば、家によって住みつくコウジカビの形がちょっとずつ違うのだという。その違いが、味の違いにつながっているということである。
ならば、手前味噌というのは、じつは「手前麹菌」と言ったほうが正しいと思ってしまうのだが、皆さんは、いかが思われますか。
それにしても、家に住み着くなんて、まるでゲゲゲの鬼太郎に出てくる座敷童子（ざしきわらじ）みたいじゃないか・・・・・
（写真
ゲゲゲの鬼太郎(1985)第12話『ざしきわらしと笠地蔵』より）
菌というのは、このコウジカビだけではなく、乳酸菌なども、きっと多種多様な形を持っているのではないだろうか。ボクは漬物で、特に冬の季節には、浅漬けよりも少し酸っぱくなるまで漬けこんだものが好きだが、うちの店で作る古漬けの白菜や大根は、じつに美味しい。食べ始めると止まらなくなるのだ。
自分は漬物作りの天才じゃないかと思いたくなるほど美味しいのだが、それは大きな間違いで、住みつく乳酸菌の腕がよいのだろう。その味を形容すれば、キリッとした貴婦人でありながら、底なしのやさしさが感じられる味なのである。これが他にはなかなかないのだ。
最後は、手前味噌の話になってしまって、すみません。
もとい。いつも手前味噌ですが・・・・・
エルブジの料理本を見ていて、シェフ「フェラン・アドリア」の略歴を知った。そこには、２１歳でエルブジに入り、２２歳で料理長と書かれてあった。
入社して、わずか１年でシェフに抜擢されることもすごいが、その年齢の若さにも驚いた。でも、あの奇想天外な料理の数々の秘密が、少しわかったような気がした。
音楽に限らず芸術の分野なら、おそらくなんでもそうだと思うが、古典を学び過ぎるとどうしても新機軸を打ち出せなくなるから、基本だけを習得したら、さらなる古典の習得とか、修行なんてものはほどほどにして、オリジナリティーの構築に向かわなければならない。なぜなら、己の技術を向上させるために古典を勉強するのだが、それを長くし過ぎると、「これは、こうあらねばならない」という固定観念が強くなりすぎて、そこから一歩も前へ進めなくなるからである。
その点、ボクはあきらかに失敗した。２０代のほとんどを古典の習得と完成度の向上だけに一生懸命になりすぎたので、おかげで古典料理における強固な観念が出来上がってしまった。
負け惜しみに過ぎないかもしれないが、ボクだって、フェランと同じ２２歳のときに料理長になる話があった。そのホテルに入社してわずか３ヶ月のことだ。しかし、料理長にはならず、引き続き修行の道を選んだのだった。ボクは京料理の古典がもつ美意識に恋焦がれ、できることならそれを実現したいという願望を抱き、それに邁進した。
フェランが作る料理とボクの作る料理は、味のレベルとしては、おそらく、そんなに大差があるものじゃない。彼の経歴、料理の写真と値段から推測すればだ。でも、彼は古典には目もくれず「新しさ」、そのただ一点のみを追求した。
これが、ボクとフェランの人生の差になった。ボクがそのときに「もっとも正しい」と思って選択したことが、人生の差につながる失敗の種だったのだ。
これは、思考パターンのほんのわずかな違いと言ってもいい。しかし、そのほんのわずかな違いが、運命を大きく分け、人生の差につながってゆくのだ。いまだにうだつの上がらない料理人と世界中から脚光を浴びた料理人。なんと大きな差であろうか・・・・・
と、いうことにしておこう。(^^ゞ
駐車場、午前１１時半。開店直前の様子。
開店前に来て、この寒いなかを玄関で並んで待っていてくれるお客様には、いつも本当に頭が下がる。深謝、深謝！
玄関前でお客様が並んでいる様子は、「早く中へ入れろ」と怒られそうなので、さすがに写真までは撮りに行けなかった。
飲食店は、ロケーションがとても重要だと言われているから、家主と賃貸契約を結び、店舗を借りて商売をしていることが多い。だいたい売り上げの１割が家賃だ。日本フードサービス協会のデーターではそうなっている。
一方、うちの店は、立地は最悪だが、一応、自前の土地に自前の店舗で商売をさせてもらっている。だから、店から自分に対して家賃を払っている。（もらっていてる。）月額２７万円。リニューアルしたときに税理士さんからの通達で決まった金額である。ボクが大家で、ボクが借主なのだから、家賃はボクの一存で勝手に決めれそうなものだと思うのだが、そうはいかないらしい。敷地１５０坪で、ゆうに７０坪はある店舗の家賃が２７万というのだから、普通では考えられないぐらい破格に安い値段だと思う。
と、今まで思ってきたのだが、最近になって気がついたことがある。今はものすごい不景気で、チェーン店を始め、多くの飲食店が集客のために死に物狂いになっている。なのに、ボクがこうしてのんびりと構えておれるのは、自分に家賃を払っているせいだと気がついたからだ。しかも、破格に安い。他の多くの店と同じように、売り上げの一割もの金額を他人さま（大家）に払っていたら、おそらく今頃はとっくに店を閉めているだろう。へたをすれば、投身自殺でもしていて、この世にいなかったかもしれない。
自殺といえば、じつは去年の３月、修行時代の先輩（３歳上）が首をつって自ら死を選んだ。自分で店をやっていたのだが、どうも商売がうまく行ってなかったらしい。
店をやっていて、お客さんが来ないことほど、つらいものはない、ということは、痛いほどよく理解できるけれど、死と引き換えにするほどつらいことではないから、おそらく借金が返せなくて、家族に迷惑をかけていたんだと思う。
家族に迷惑をかけ続け、きっと苦しかったんだろうなぁーと思うが、ボクはその先輩にいっさい同情はしない。こんなことを書くと、ものすごく冷酷なやつだと思われそうだが、ボクの目から見たら、その先輩は、経営判断の意思決定において、ミスに次ぐミスを繰り返していたのだから、商売がうまくいかないのは、当たり前である。そもそも「辛い」からといって、自殺するような人間に商売をやる資格はない、と思う。そういう人は、“給料をもらう立場”にいなければならない。飲食店においては、特にそうだ。なぜなら、店を作るだけでも、まとまったお金が必要だし、扱う商品が瞬く間に劣化するナマモノだからである。星の数ほどある商売の中で、どちらかといえば難しい部類に入る商売のひとつなのではないだろうか。
その先輩は商売を始める直前、短期間ではあったが、当時、飛ぶ鳥を落とすほどの勢いだったうちの店に研修に来ていた。
そのときに、
「お金には、死ぬほどの値打ちはない。絶対にない。」
ということを
教えてあげればとよかったと後悔した。
店を始める前に一緒に働いた仲間で自殺をしたのは、この先輩で３人目である。（そのうちの一人は命を取り留めたので未遂。）なんと壮絶な世界であろうか。
一方で、うちの店を卒業していった子で、商売に失敗した者は、まだ一人もいない。大変ながらも皆なんとかがんばっているようだ。だけど、もし何かあったら、バカなおつむで考えたって、どうせ埒はあかないんだから、行き詰まる前に相談に来てほしい。ボクが絶対に助けてやるから。
昨日と同じ内容のお刺身を黄瀬戸のドラ鉢に盛る。器が変わるだけで、これだけ雰囲気が変わる。
スペインのエルブジが閉店するそうだ。「１日１５時間労働を続けてきて疲労困憊（こんぱい）した」というのが閉店の理由らしい。
世間では、創作活動が行き詰ったとか、しこたまお金を儲けたから、このままシカトするのでは、とか、悪く言っている人たちもいるようだが、ボクはもっと素直に受け取っています。美味を追及する料理の世界が、日々どれほど過酷なものであるか、料理に対して、まじめで、かつ誠実な料理人なら皆知っている。
あえてボクの立場から言わせてもらえば、身体をぼろぼろにしながらも、美味の追求と、日々その実現に情熱を燃やす料理人たちがいるおかげで、お客さんたちは、心豊かな時間を過ごすことができるのだ。だから、そういう人たちを、賞賛しろとか、感謝しろとまでは言わないが、シェフ業の現実をもう少し深く理解し、もっと素直な気持ちで、見てやってほしいと思う。
創作に関してもそうだ。単なる思い付きのアイディアや、自分の感性が、そのまま新しい料理になっている間は、たいした苦労はいらないが、それが全部で尽くしたあと、さらに創作を続けていこうと思えば、極限にまで自分を追い込んでいくしかない。これはハリウッドの映画製作であろうと、音楽の作曲であろうと、作家であろうと、みな同じだと思う。日本のアニメの巨匠、宮崎駿さんなんかを見ても、ご自分をとことんまで追い込みながら、映画を完成させていく様子がテレビで放映されていたから、創作活動をしたことがない人でも、なんとなくわかってもらえるのではないかと思う。
美味を創り出す能力というのは、一流アスリートと同じぐらい貴重な存在であることを知ってほしい。人類の文化財産でもあるのだ。
たしかにエルブジは、世界中のコース料理の中でも傑出した多皿コース（２０皿）なので、毎日が大変なことは容易に想像がつく。種類をたくさん作るということは、献立を考えるシェフや調理場スタッフにかかる負荷がとても大きくなる。ボクより２歳ぐらい年下でありながら、「やぁーめた」となったのは、そのせいもあるだろう。
それにしても、シェフのフェラン・アドリアはバカ正直な人だなぁーと思う。ボクだったら、口が裂けても言わないと思うから、これほど正直に徹する人であれば、人間的には結構いい人かもしれない。
ボクだったらどう言うかって？
「更なる高みを目指すために、２年の歳月を費やして、新しい店を作ります。」
おもしろくもなんともないなぁー。すみません。
大きな鍋で大根を焚く。風呂吹き大根の仕込みです。
刺身。南紀勝浦の近海マグロ、寒ぶり、一晩熟成のヒラメ。
荒子観音本堂。
２０１０年の節分ももうすぐ。今年は、方位が西南西で名古屋では荒子観音が恵方となります。なので、今年の荒子観音はかなりにぎわうと思います。
荒子観音には、円空の木彫仏像が１２００体以上あるそうです。日本全国で現存が確認されている約４，５００体の円空仏のうち、実に４分の１以上が当寺にあることになる。 毎月第２土曜に一般公開されています。
多宝塔。名古屋市内最古の木造建造物。
この荒子観音の隣には「神明社」があり、明治以前はこうした神仏が同じ場所にあることは多かったそうです。
ボクはガキのころ、その神明社の「ひょうたん池」の周りに茂っていた野イチゴ（たぶん？）をよく盗み食いをしました。(^^ゞ
店の玄関のかざりも、節分に模様替えをしました。
２月の献立は、ただいま考え中。
ボクはなぜか机の上では献立が立てられなくて、いつも調理場のゴミ箱の上に板を敷いて座り、考えます。何でかというと、机の前に座ったら寝る、という強固な習性が、中学、高校の６年間に染み付いてしまったから。というのはウソで、経験的に調理場で考えるほうが、まとまりのある献立になるとわかったからです。
ちなみに、パソコンもだめ。料理というのは、どうもアナログ思考なのではという感じがしています。
しかし、今頃考えていて、間に合うのか！
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